
鬼は外
福は内
福だけ欲しがる
この私
私には、不都合なことは避けたいという気持ちが常にあります。
しかし、「老・病・死」は避けることができません。
仏法をよろこんだ木村無相(1904~1984)さん
「ご縁 ご縁 みなご縁 困ったことも みなご縁 南無阿弥陀佛に遇うご縁」と
「老・病・死」も尊いご縁といただいています。
山陰の妙好人、浅原才市(1850~1932)さんの肖像画には
角が二本つけられています。
肖像画が出来上がったとき、誰がみてもそっくりなのに、
才市さんは「これは私じゃない」と言われたそうです。
「私はこんないい人間じゃない。
鬼のような恐ろしい心をもって、
人を憎んだり、妬んだり、恨んだりする、
あさましい私が、少しも描かれていない」
と言うのです。
そこで画家は
「じゃあ、どうすれば、あなたに似るのですか」と尋ねると、
「頭に角を描いてください。
人のこころをつきさし、傷つける恐ろしい角を、
こころのうちに持っていることを書きあらわしてください」
と言ったそうです。
あさましの憂きことは
だれにもあるよ
さいちにもある
病気のやまい 棘の角
二本三本はえている
慈悲の鏡で見りゃわかる
(浅原才市)
わしのこころが
あなたにむけば
やれ あさましや あさましや
あなたのこころが
わたしにむけば
やれ ありがたや ありがたや
なむあみだぶつ
なむあみだぶつ
(浅原才市)