ラインにも
メールにもない
あたたかさ
ハガキに踊る
くせのある文字
年賀状の季節になりました。
今月はハガキの文字に因んだ言葉。
「書は人なり」という言葉があるように、
手書きの文字は、人によって異なり、特徴が表れます。
親鸞聖人の文字の特徴は流麗な筆致とは違い、
少し荒々しく、力強い印象です。
『顕浄土真実教行証文類』において、
行間や裏面まで埋め尽くすように注釈が記されているものなどを見ると
聖人の尽きることのない探求心がうかがえます。
そして、一度に書かれたものではなく、
時を経てからさらに書き加えられた様子もうかがうことができます。
京都国立博物館・名誉館員の「赤尾栄慶」さんは
二〇一六年三月発行の「季刊せいてん」一一四号で
「聖人のご師匠である法然聖人は、やさしい字をかかれます。
法然聖人のお手紙の字を見ると、わりと読みやすいし、
わかりやすい文字をお書きになっているという印象をうけます。
親鸞聖人の筆跡の魅力というのは、
文字に見られる筆線の美しさに加えて、
生涯を貫く研鑽から獲得された信念と
透明性がにじみでたような字すがたにあるのではないかと思います。」
と述べられています。