法事について❷
法事に行った際、「案内の手紙は面倒やから電話で確認してまわっている」と仰られている方がおられました。
その理由は『文面で恥をかくのが嫌』とのことでした。わからなくもないなぁというのが正直な感想でした。
また、施主の方の中には挨拶が嫌やからもう挨拶なしで始めよう!と言う人も増えているようです。
ここでは法事の挨拶、法事の案内・お礼状のサンプルを掲載したいと思います。
- お挨拶、案内例
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- お勤め前のあいさつ
- 「本日はお忙しいところお参り頂き有難うございました。
只今より法名釋○○俗名○○の○○回忌法要を勤めさせていただきます」
- お勤め後のあいさつ
- 「おかげさまで、○○の○○回忌を勤めさせていただきました。ご住職様有難うございました。
また皆様には丁重なご仏前お供物を頂戴いたしまして有難うございました。
〜ふりかえりますと故○○は存命中、お寺とは縁がなかったように思います。
しかし今日、往生して○○年をへだてても、残った私どもに仏法に触れる縁を与えてくれました。
今後とも仏法を聞くご縁を大切にしていきたいと思います。〜【感想】
本日はありがとうございました。」
- お斎のあいさつ【例】
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食前のあいさつ
「本日はお忙しいところを○○のためにお集まり下さり、ありがとうございます。
食後のあいさつ
誠に粗餐ではございますが、どうぞ、ごゆるりとくつろいで、召し上がっていただきたいと存じます」「皆様、本日はお忙しい中を最後までお付き合い下さいまして本当にありがとうございました。
皆様から父の思い出話を伺い、改めて父を身近に感じることができました。
なごりはつきませんが、これにてお開きとさせて頂きたいと存じます。
未熟な私どもではございますが、どうかこれからも変わらぬお付き合いのほどよろしくお願い申し上げます」
- 法事の案内【封筒に返信はがきを入れる場合の例】
- 法事の礼状【封書が丁寧な形の例】
※文章や体裁は大切ですが、心のこもった挨拶、手紙に勝るものはありません。
点火点燭供香供飯
朝、目覚めたら顔を洗い、身だしなみを整え、炊きたて一番のご飯をお仏飯として盛り、お供えしますが、
その際に点火、点燭、供香、供飯という順番があります。
つまり、一番最初にお仏壇の輪灯に火を入れます
(これは、灯芯を使っているお家です。現在は大部分が電灯になっていますのでスイッチを入れてください)。
二番目にローソクに火をつけます。三番目にお線香に火をつけ、香炉にくべます。四番目にお仏飯をお供えします。
このようにお荘厳が出来たら、門徒式章をつけ、左手に念珠(数珠)を持ち、
経卓に経本を置き、合掌礼拝して勤行をはじめます。
勤行(おつとめ)は、「正信偈 念仏和讃六首引」または「仏説阿弥陀経」を基本といたしますが、
「讃仏偈」や「重誓偈」をお勤めしていただいても結構です。
この点火点燭供香供飯について説明をさせていただきます。
- 点火点燭について
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仏さまのお徳を光明で表現します。火に照耀(照り輝くこと)の徳があるからでしょう。火に「焼く・照らす」というはたらきがあるようにお灯明にも「不浄のものを焼く熱」と「迷いの闇を破って照らす」という二つの徳をあらわす意味があります。毎日お灯をあげるお灯明はそのまま仏さまの智慧を象徴しているのです。慈悲(あたためるはたらき)と智慧(闇を破るはたらき)という味わいもいいかもしれません。
- 供香について
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お香には大きくわけて塗香、抹香、線香があります。インドでは塗香が広く使われているようです。粉末にしたお香を本尊や行者に塗って身を清めるのです。粉末にしたお香を抹香といいます。粉末を糊でかたく細長く線状にしたものを線香といいます。1667年に伝来したそうです。他宗では線香を立てますが、本願寺派では適度な長さに折り、寝かせます。
- 1、香りを薫いて仏を供養する味わい
- 2、香の香りで自分の悪気を清める
- 3、立ちのぼる香煙からわが身の無常をさとる
- 4、わけることなく空間をみたす仏の慈悲
などの意味があると言われています。
- 供飯について
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お仏飯を供えることを上供といい、お仏飯をおさげすることを下供と言います。
本願寺では午前中にさげることになっています。当山もお朝事の後、下供します。
(1)仏さまへの感謝
(2)いのちの恵みへの感謝
いまさらきけない仏事Q&A
「いまさらきけない仏事Q&A」と題して仏事に関するよくある質問の例を挙げていきたいと思います。
- Q初七日の数え方がややこしく混乱してしまいます。
わかりやすい方法を教えてください。 - A
まず初七日ですが、亡くなった日を一日に数えます。例えば一月一日に亡くなった場合の初七日は一月七日になります。「曜日愛好家」の方は亡くなった曜日の前の曜日と覚え、「足し算好き」の方は命日+六と覚えてもいいかもしれません。
- Q一周忌と一回忌って一緒ですか?
- A
一周忌と一回忌は一緒ではありません。一回忌を敢えて言うなら命日のことになります。(そういう表現自体あまり使いませんが…)この方法で考えるなら、亡くなった日が一回忌、亡くなって一年間たったら二回忌になります。しかし、通常は二回忌とはいわず、一周忌といいます。一周忌の翌年が三回忌となります。
- Qおじいさんとおばあさんの法事を一緒につとめてもいいですか?
- A
二つの法事を一緒につとめることを「併修」といいます。ある程度年月が近い場合ならお受けしています。その場合、命日の月が早い方に合わせる御門徒さんが多いようですが、大切な法縁ですから、皆さんが集まり易い日に設定すべきでしょう。「もう面倒やからお父さんの一周忌から五十回忌までまとめてお願いします!」「初七日と四十九日一緒にお願いします」のような併修はお受けしておりません。各々事情があると思いますので、お気軽にお寺にご相談ください。