法事について❶
先立たれた方を偲びつつ、生きているものが仏縁に会う
- 法事の意味
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亡き人を縁に勤められることから「亡き人のため」に勤めるものと思っている人が多いです。「故人の魂を慰めるためにお経をあげる」とか「法事を勤めることによってご先祖を安心させてあげる」といった認識の、いわゆる追善供養の意味合いです。しかし、これまでにも触れてきたように、亡き人は如来さまのお救いによって、すでにお浄土に参られているのです。したがって、亡き人のために善をふりむける(追善)必要はないのです。
法事と言うのは「仏法に出会う事」ということで、この仏法はほかでもない私自身のためのものです。すなわち、法事の場に参集した家族、縁者の一人ひとりが仏法を自分のこととして聞き味わってこそ、意義あるものとなるのです。亡き人を偲びつつ、この私が仏法を聞く行事、これが法事です。
- 法事の種類
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初七日から始まって、四十九日、百カ日、一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十五回忌、三十三回忌、五十回忌、百回忌。 五十回忌まで勤める家庭が多いです。
※二十三回忌、二十七回忌を行う地域もありますが、当山は二十五回忌をお勤めします。
* 「月忌」は、月ごとにめぐってくる命日で、故人の亡くなった日のこと。「月命日」ともいいます。
* 「祥月命日」とは亡くなった月日をいいます。
* お彼岸(讃仏会)…春分(3月)と秋分(9月)を中日として、前後3日間、計7日間行われます。
* お盆(歓喜会)…俗習では8月13日〜15日ですが、日にちに縛られることはありません。
- 法事のこころえ
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法事とは、阿弥陀さまから恵まれた私のための尊い仏法聴聞の場です。
- 合掌の時には、手を合わせて「なもあみだぶつ(なまんだぶ)」と声に出してから礼拝をいたします。
- 一緒におつとめをするように心がけましょう。
- 経本や念珠は直に床に置かないでください。
- 焼香用の香と種火の炭を用意します。
- リンは読経の時に使います。仏さまへの挨拶代わりに叩くものではありません。
- 上書きは寺院には「御布施」と書きます。(回向料・寸志・経料とは書きません)
お参りに行かれた場合は、「御仏前」と書きます。(御霊前とは書きません)
- 法事について
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1.ご自宅にてお勤めする(日時を決めてこちらからお参りに伺います)
2.お寺にてお勤めする
- お参りに来る人数をお知らせください。
- 法要会場はイス席です。
- 白木位牌、過去帳、繰り出し位牌、塗りの位牌、法名軸のいずれか
- お供え(お菓子、果物等)
- お花(アレンジ可)
上記持参いただかなくてもお勤めできますので、無理のない範囲で大丈夫です。
写真等、故人を偲ぶものをご持参いただいても結構です。
- お位牌について
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満中陰法要(49日法要)までは白木位牌を用い49日以降に過去帳等に転記します。
(西本願寺は過去帳をすすめています)
- お仏壇のお飾り
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阿弥陀如来という仏さまは「南無阿弥陀仏」という声となり、我々に寄り添ってくださる仏さまですが、目に見えないものに手を合わせるのは至難の業です。お経の中にでてくる阿弥陀如来の浄土の世界を形として現したものがお寺の内陣でありお仏壇です。「信は荘厳から起こる」という言葉もあるように「みごとに配置されているお仏壇」「美しく飾られたお仏壇」は見ているだけで心が落ち着きます。
- 【基本的なお飾り】
- 【三具足 普段のお飾り】
- 【五具足 法要時のお飾り】
※法事の時はこの基本の荘厳に、お花やお菓子、果物がお供えされることもあります。