私の口からでた言葉を
一番近くで聞くのは 私の耳
今月は体育教師をしていた時の事故で首から下の自由を失い、
口に筆をくわえ、美しい絵や素晴らしい言葉を書いている
星野富弘さん(1946~ )のことばです。
原文は
「鏡を見ていて気がついた。悪口をいうのは、もうやめよう。
私の口からでた言葉を一番近くで聞くのは私の耳」
お釈迦様は、私たちが犯しやすい過ちとして「十悪」を説いています。
身(からだ)に関すること「殺生・偸盗・邪淫」の3、
意(こころ)に関すること「貪欲・瞋恚・邪見」の3、
口に関すること「悪口・両舌・妄語・綺語」が4と、
口に関することが一番多くなっています。
その同じ口から、お経様をお勤めし、お念仏を申します。
「私の口からでた言葉を、一番近くで聞くのは 私の耳」
この耳に、どういう言葉を聞いていくのか。聞かせていくのか。
大谷大学の元学長の曽我量深(1875~1971)さんは
「よい言葉に出会っていきなさい。よい言葉は、心の安定をもたらします。
ありがとう、おかげさま、すみません、いただきます、ごちそうさま。
沢山のよいことばがありますが、よい言葉の最たるものは南無阿弥陀仏です」と申されています。
この耳に、どういう言葉を聞いていくのか。聞かせていくのか。
いつでも、どこでも、どんないのちでも摂めとって、捨てることのない「南無阿弥陀仏」
仏法のご縁の中に過ごしていきましょう。
(令和3年2月の掲示板) 担当/前住職 村上 充生